2015年05月17日

通変〜印・快楽欲求〜

通変シリーズ第4弾です。今回は「印」です。

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印は、日主を生じる五行であることから、「助ける」「救う」といった作用を持ちます。基本的作用は、「生命を維持するという究極の目的を実現するために快楽を欲する能力に関与する」です。陰陽五行の相関では、丙なら甲乙、癸なら庚辛が印となります。欲する作用から、内向きの通変になります。

あらゆる生物は、自分の生命を維持するため、本能的に苦痛から逃げ、本能的に快楽を求めます。それこそが、印の作用になります。財とは対をなし、財は物質的欲求に、印は生理的欲求に関与するとされています。

印が良好に働けば、適度な運動と飲食、休養が保持されます。心身ともに安らぎを得られ、結果として健康体を維持することができます。

印が不良になれば、自分の好物ばかりを食べたり異性に依存したりして快楽を過度に求めたり、嫌なことは極度に避け、興味ないことには一切の見向きもしないようになります。結果、アルコール依存症になったり、ニコチン中毒や薬物中毒に発展することもあります。こういった作用は、日主と比べて印が強すぎたり、逆に弱すぎたり、あるいは全く無かったりして、「五行調和」が崩れた場合に表れます。

やたら多忙な毎日を送っている時も、印が不良に働いていることがあります。内向きに引き寄せる作用から、余計な仕事も引き寄せ、十分な休息も得られない環境に身を置くことがあります。具体的には、昼夜が逆転してしまうような夜勤労働が挙げられます。

「好きこそ物の上手なれ」という諺がありますが、これには印の作用が深く関わっているとされています。印は内向きに働くことから、「こだわり」といった事象が表れ、エンジニアや音楽、文筆といった専門的知識を必要とする分野で、類稀なる才能を発揮します。

ノーベル賞などの賞で、受賞者にインタビューをしている時、「楽しかった」のような発言を聞いたことがあると思いますが、これは、印による事象だと考えられます。常人には考えられない地道な研究や観察を「楽しい」とか「幸せ」とか思えるのは、印が良好に働いている印です。

「楽しい」とか「幸せ」とかの感情とは真逆な、修行や訓練を苦痛に耐えながら専門技術や知識を身につける仕事がありますが、これは印ではなく、官殺の作用によるものだとされています。

身につけた素晴らしい知識も技術も、社会に「見える形」で示さなければ、宝の持ち腐れとなってしまいます。印や官殺の作用を役立たせるには、財もしくは食傷の外向きの作用が必要になります。外に向かわせなければ、気難しいマニアックな人になってしまいます。

「財」のところで、不労所得についてお話しました。寝ていてもお金が入ってくるものです。これが、「財」の作用なら、「印」は労働所得になります。ここでいう「労働所得」は、「身体に負荷がかかる仕事」を指します。パソコンで文書作成していても作曲していても、身体の一部は「動いている」わけです。このように考える理由は、印の「快楽を欲する」という作用が不良である時に披露が蓄積する仕事をする、という事象になるからです。第一線で活躍する有名人や音楽家は、印の不良作用の中にいます。

印は、良好に働けば「心地よさ」や「専門知識」を得られますが、不良に働けば「キツい仕事」や「中毒」といった作用に身を投じることになります。良いことと悪いこととの差が極端に表れる通変と言えます。以上で、「通変〜印・快楽欲求〜」の説明を終えます。ご来訪いただきありがとうございました。
posted by K.Y. at 23:31| Comment(0) | 四柱推命の基礎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

通変〜官殺・自分をコントロールする〜

通変シリーズ第3弾です。今回は、「官殺」についてです。

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画像引用: http://flgwhqp.lvfaw.com/

官殺は、自分を「抑える」「攻撃する」作用を持つ通変です。基本的作用は、「自分の置かれた環境に合わせ、自分の行動をコントロールする作用に関与する」です。陰陽五行の相関では「剋」となり、日主が壬なら戊己、乙なら庚辛が官殺になります。「抑え込む」作用から内向きの通変となります。

自分が攻撃されるわけですから、自分は萎縮することになります。よって、自分を律する作用をもたらします。自分を律するというのは、強いストレスを与えます。

自分が萎縮することから、性格面では「控えめ」「でしゃばらない」といった事象が表れます。また、自己コントロール能力が強いので、日主に官殺が隣接している人は、「我慢強い」「責任を全うする」といった性質を持ちます。

こうした面が良好に働けば、持ち前の忍耐力をもって自身の責任を全うし、結果、仕事において「できる人」と評価されて、昇進や昇給、栄転などのご褒美を得られます。しかし、このような事象になるには、日主に官殺に耐えうる強さが必要です。

官殺の自分に向ける圧力は、とてつもない不快感をもたらします。日主に官殺の圧力に耐えうる強さがない場合、その圧力によるストレスに負けてしまい、自己主張が希薄になります。酷く自己主張がないので、他人からの評価が悪くなり、児童や学生ならいじめられたり、社会人ならパワーハラスメントを受けたりするようになります。また、誹謗中傷を受けたり、ストーカー被害に遭ったりすることもあります。

官殺に限ったことではないですが、各通変がもたらすプラス事象、マイナス事象は、その人自身に起因するものになります。食傷も財も官殺も、それらがもたらす事象は、全てその人自身の行動の結果です。

日本では、長子は親から過度な期待をかけられ、また兄弟姉妹ができれば、弟妹のために我慢せねばならないという風潮があります。これは、しばしば官殺による事象だとされます。日主に官殺が隣接する人は、厳しい躾をされることが多いです。さらに、長子が多いとされています。

官殺は「剋」の通変ですが、五行の陰陽によって作用が違います。陽同士・陰同士なら普通の剋関係なのですが、陽から陰はかなりの剋によるダメージを与えます。また、陰から陽は、陰の方が弱いので官殺の作用はほぼないです。

官殺はかなり不快感を伴いますが、大運で日主にエネルギーが与えられれば、人格者として高評価を得られます。以上で、「通変〜官殺・自分をコントロールする〜」の説明を終えます。ご来訪いただきありがとうございました。
posted by K.Y. at 14:39| Comment(0) | 四柱推命の基礎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月16日

通変〜財・環境を把握する〜

通変シリーズの第2弾です。今回は、「財」です。

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「財」は、日主が剋する五行なので、「抑える」とか「管理する」という事象に繋がります。五行の関係は、日主が戊なら壬癸で、辛なら甲乙が財になります。財の基本作用は、「自身の置かれた外部環境を察知する能力に関与する」です。周囲を察知しにいく作用なので、「外向き」の通変です。

具体的には、自分の利害や経済動向を把握したり、人の気持ちを察知したり、空気を読んだりするといった事象になります。日主に財が隣接している人は、TPOを弁えて行動することができます。
また、財が隣接している人は、目標を設定してそれに向かって努力することができます。自分の欲しいものを手に入れるために、一生懸命働いて貯金し、努力を重ねます。しかし、これらの事象が良好に働くのは、財を剋するエネルギーが日主にある場合だけです。

日主弱である場合、財の作用は不良になります。相手の気持ちを過剰察知し、媚びへつらったり、不快であるのに相手に同調するふりをしたりします。また、自分の思い通りに事が運ばないために自信を喪失したり、人からイイ人に思われたい気持ちから顔色を窺うようになります。

日主が強で財が弱い場合、経済動向を見誤ったり、欲しいものを手に入れるためには手段を選ばなかったりします。人の反感を買うことを平気でしたり、最悪の場合、公序良俗を無視して刑事犯罪を犯すこともあります。

財が隣接していると大衆受けするものを創造することもあります。巷で流行っている物事を察知して作品を生み、ヒットを掴むような感じになります。この場合、印と食傷が必要です。

財は、不労所得にも関わります。周囲を察知し経済を把握する能力に長けていますから、「寝ていてもお金を得られる」環境を作り出すことも可能なのです。

財がない人は儲けられないのかと思われますがそんなことはありません。日主に財が無くても、仕事をしている以上、金銭を得られるのは普通です。財がない人は、事の進め方が不器用になって、稼ぐことが不安定になる傾向があります。

財には以上のような事象があります。しかし、大運によって事象の出方は変わります。「金持ち」になれるかは、大運の流れに掛かっています。以上で「通変〜財・環境を把握する〜」の説明を終えます。ご来訪ありがとうございました。
posted by K.Y. at 20:51| Comment(0) | 四柱推命の基礎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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