紫微斗数には、地劫という星と天空という星があります。両方とも乙級星です。
乙級星は基本的に、甲級主星、甲級副星と比べて、さほど人生に大きな影響を与えず、参考程度に考えるのですが、上に記した地劫星と天空星だけは多大な影響を与えます。甲級星ほどあるとされています。
地劫と天空は「虚空」を与えます。入っている宮に虚しさをもたらします。
例えば、田宅宮に入った場合、不動産関係や財産関係で問題を抱えるとなります。虚空をもたらすワケですから、不動産や財産などで満足できる結果を得られません。家を買っても暮らしていくうちに住みにくさを覚えたり、財産を得ても壊してしまったりします。
命宮に入ると、人生全体で感情と現実面に強烈な嵐を起こします。何しろずっと虚しさを覚えていますから、何をやっても満たされません。趣味を持っていても、心ゆくまで楽しめません。
ずっと居座り続ける虚しさを消そうと、衝動的に消費活動をすることもしばしばです。ぽっかり開いた心の穴を物質で満たそうとするのですね。しかし、何を買っても満たされないので、また買ってしまう、そのスパイラルのために金遣いが荒くなり、結果的に現実面に強烈な嵐を起こしてしまいます。
そのような性質があるために、精神面よりも現実面を重視する廉貞星や貪狼星、武曲星、破壊的な七殺星や破軍星などと同宮すると、借金まみれになったり、破産したり、人生そのものを失ってしまう可能性が高くなります。
しかし、地劫と天空は、虚しさを与えるのと同時に精神面を鋭くさせる性質があります。現実面を損なわせる代わりに精神面を充実させる余裕を与えてくれると考えると良いでしょう。
そのため、芸術家や音楽家、学者や各種クリエイターなどには、有益に働くとされます。
天機星を筆頭に、巨門星や太陰星などとの同宮は、さほど大きな悪さをもたらさないと考えられます。しかし、芸術文化学術創作系の分野に携わっていなければ、その限りではないでしょう。
とにもかくにも、命宮や身宮に地劫や天空が居座っているならば、精神面の充実を図る必要があると考えた方が良いと思います。流年や大限でめぐっても、その時期だけは精神面の充実を図る必要があるでしょう。
以上で終わります。今回もご来訪いただきありがとうございました。
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